1990年9月

勉強するだけが、学校じゃない。もっと大切なものが、学校にはあるはず。6人の場合は?

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ボクね、毎日学校にTシャツを2枚持ってくんだ。なぜかっていうと、休み時間にいっつも友達とバスケで燃えまくるから。休み時間という休み時間、ずーっとバスケやってると、もう汗だくだもんね。どうしてもTシャツ2枚は必要になるんだ。
ボクは、悪いけど”ゴール下の鬼”だよ!リバウンドボールは死んでも拾う。敵のシュートを必死ではたく。はたいたときの快感は、こりゃ~、やった人にしかわかんないよ。
1学期の終わりに球技大会があったんだけど、もちろんボクはバスケで出場したよ。すごかったんだ、ボクのクラス。決勝戦まで進んじゃった。相手は1学年上の3年生のクラス。それがまた、バスケ部の人が2~3人いて、ムチャクチャ強いの。こっちも必死で、なんとか点を入れるでしょ。そうするとね、体育館じゅう、ワー!って歓声が上がるんだ。何かヒーロー気分なんだよね。結局9点差で負けたけど、表彰式のとき、みんなが「森が賞状もらってこいよ」って言ってくれて、代表でもらいに行ったんだ。とってもいい思い出ができたよ。
いつも一緒にバスケやってる連中は、全員で10人くらい。そいつらと帰りも群れながら下校するんだけど、「来年は絶対優勝しよーな」と毎日のように話してるんだ。(森且行)

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自由だよ、オレの学校。服装も自由だし、先生だって、理解のある人ばっかりだしね。で、オレが学校で楽しみにしてるのは、音楽。っていっても授業じゃないよ。休み時間に、親友のジュンたちと教室のすみでバンドのまねごとするんだ。ドラムスティックで机をたたいたり、下敷きをベースのかわりにして弾くまねしたりね。まねごとって言ったけど、本当は、ちゃんとした練習なんだよ。去年は、一所懸命練習したのに、文化祭の当日、仕事が入っちゃって、一緒にできなかったからね。今年こそはボン・ジョヴィやるぞー!そう思って、休み時間もついつい熱が入って、大声で歌っちゃうよ。
まあ、休み時間はそんな感じだけど、楽しみにしてる授業もあるんだ。それは数学の時間。先生がおもしろくてさ、始めの15分は討論会をやるんだよ。新聞のネタ使ってね。この前の「地球環境問題」は、考えちゃったなぁ…。オゾン層やフロンガスのこととか、みんな意外と新聞読んで知ってて、焦っちゃったよ。それ以来、オレも関心を持って、スプレー買う時は、フロンガス使ってないか、表示を見るようになった。やっぱり学校って、教科書で勉強するのがすべてじゃないって、オレは実感してるよ。(木村拓哉)

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ボクが高校に入る時、同じ学校の1年先輩の稲垣くんが言った。「おまえがヘマすると、ボクがバカにされる。ボサボサ頭のまま学校に来るなよ!」そのときは、「ウン」って返事したよ。だけどね、ボクんちから学校まで約1時間半。髪なんかかまってるヒマないんだ。こう早起きだと、授業中眠くなっちゃう。でも、うっかり居眠りすると、「こら!草なぎ!!」って、チョークが飛んでくるから、一所懸命目を開けてるよ。特に眠いのが昼休み。おなかもいっぱいだしね。窓際の席に座って風に吹かれてると、超気持ちよくなってウトウト…だよ。学校の中で、あの場所がいちばん好きだな。
とは言っても、ボクだって、いつもこんなふうにウダウダ過ごしてるわけじゃない。体育祭は、メチャクチャ燃えるよ!おかしかったのは、ムカデ・リレー。4人で組んで、練習までしたのに、結果は悲惨!ドテッと転んじゃってさ。必死に起き上がろうとするんだけど、全然ダメ…。先生なんか、「おい、ふざけるんじゃない!」だって。ひどいよね、こっちの気も知らないで。見てるやつらも大爆笑してるし。しまいには、ボクらも笑い出しちゃったけどね。今度の体育祭も楽しみ。(草なぎ剛)

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中学のときまではさ、意外と積極的だったよ、ボク。放送部やってたんだ。昼休みには、みんなのリクエストに答えて音楽を流したり、放課後は「もう下校時刻なので、早く帰りましょう」なんてアナウンスしたり。こうゆうのが合ってるのかなーなんて思って、けっこう楽しかったんだ。
でも、高校に入学してから2年生になった今までを考えてみると、ちょっと反省しちゃうよ。楽しみっていえば、昼休み。グラウンドに降りていくところが土手になってるんだけど、そこに座って日なたぼっこするんだ。夏なんて、上半身裸で日に焼いたりもする。学校の中でいちばん気が休まるところなんだけど、やっぱり情けないよね。放送部に燃えてた中学のころに比べると、積極性ってもんがなくなっちゃってるもんなー。
4月にツヨシが後輩として入学してきた。あんまりだらけてるとこ見られると、先輩として示しがつかないからなー。だから、せめて燃えるものがないかと、今日も気持ちよく土手にひっくり返って考えてるんだ。(稲垣吾郎)

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ボク、学校で飼育係をしてる。ウサギやインコを飼ってるんだけど、その世話をするの。好きだなー。ウサギ小屋の中に入って、フンを取ったり、エサをあげたりね。ウサギってさ、いつもせわしなく口をモグモグさせてるのが可愛んだよね。で、レタスやニンジンをあげるけど、一所懸命食べるの。「ホラホラ、そんなにあわてないでも誰も見てないから、いっぱい食べろよ」なんて、やさしい気持ちになっちゃう。でも、さすがに高校に行ったら、ウサギなんて飼ってないだろうから、こうやって世話できるのも、あと1年半だと思うと、ちょっとさびしいな。
なんていうと、友達がいないヤツみたいだけど、そんなことはないよ。仲のいい友達は、今、クラスに6人いる。休み時間はいつもテラスに集まって、くっちゃべってるんだ。今はやってるのは”誰がいちばん笑いをとるか”って遊び。あと、プロレスごっこやってて、ふざけてるつもりが、そのうちマジになって大ゲンカになることもあるけど、いつの間にか仲直りしてるからフシギなんだ。とにかく、ウサギも友達も、ボクは大切にしていきたいなぁ…。(香取慎吾)

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この前のことだった。オレはつい、授業中に居眠りしちゃって、ハッと目が覚めた。そうしたらオレ、教室の中にひとりきりなんだよ。どうやら、授業が全部終わるまで寝てて、結局誰も起こしてくれないうちに取り残されたらしい。シーンとした教室で、オレは虚しさをかみしめた…。そりゃさ、オレはチャランポランな学生だよ。服装が自由なことをいいことに、楽チンなスエットで通してるし、休み時間は、ひとりでラジカセばっか聴いてる。でも、起こしてくれたっていいじゃないか!あまりにミジメだよな。
これでもさ、中学のときは親友がいたんだ。いっしょにイタズラもした。学校帰りに江の島に自転車でつるんで行ったりもした。ところがさ、高1のとき、そいつが海におぼれて死んじまったんだ。泣いたね。それと同じ時期に、オレは湘南の高校から東京へ転校した。悲しい気持ちをひきずったまんま転校したから、チャランポランになっちゃったのかもしれない。でも、教室にひとり取り残されて、悟ったね。いつまでもチャランポランしてると、最後までホントにひとりの友達もできないまま卒業だぞって。アイツ以上の親友を作らなきゃ。そうじゃないと、やっぱり学校に行く意味、ないもんなぁ。(中居正広)