1989年1月

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気温-16°C。無風、快晴。AM6:30、東の空からルビーのような太陽がプッと浮かんだ。バカ騒ぎがピタッとやんだ。「オ~ッ!」ほおをルビーに染めた6人は、ひと声叫んだ。生まれて初めて、太陽を下に見た。シモヤケ作りながら、ゼイゼイ息しながら、スッテンコロンしながら、登ってきてよかった!無言で納得した。

高校受験を前に、森と稲垣吾郎は、富士より高くタコをあげて”合格祈願”。草なぎは”ノロマ癖”を直す!木村はひたすらピークを征服。風邪気味の中居は、やけくそに大盛りの雪、食いたかった。香取は、おじいちゃんに買ってもらった!サバイバル・ショット”を、やたらぶっ放したかったのだ。つーわけでネボウの6人、たった2時間だけの仮眠に耐えて、ここまで登ってきてしまった。

登山靴にアイゼンを結びつけ、ひたすら雪と氷の急斜面を登り続ける。気を抜くと下まで滑り落ちそうで怖い。まるでチョモランマだ!いつも大騒ぎのSMAPも、気がつくとみんな黙々と一歩一歩を運んでいる。大きな斜面を超えたところで、突然、下界の景色がパーッと目の前に広がった!「ウォーッ!」いままで無言だった6人は、一斉に叫ぶ。「こんなすごいの見たことないよ。初めてだよ…」頂上は、すぐそこに見えた。しかし、これ以上進むのは危険と知らされ、残念ながら登頂は断念…。でも6人は、富士山の美しさを、しっかり心に刻みつけていた。

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香取が取り出したのは、霊のサバイバル・ショット。いきなり稲垣吾郎と遊び始めた。

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「だめだ!」って言うのに、どこでも登っちゃう木村。で後からついてきた草なぎを、ザイルで懸命に引き上げたりして、SMAPの兄キ分の実力を発揮。

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スタッフの目を盗み、ついにこんなことまでしちゃった木村。下は急斜面、落ちたら大ケガだ!あわてまくる一同を尻目に、カメラでポーズ…。

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ちょと前までキャッキャとじゃれ合っていた中居と香取。冬山を甘く見ると、こうなってしまうの見本だ!ほかのメンバーは遊びに夢中で誰も助けなかった…。

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「氷の斜面は滑るとオモシロイ…」こうなったら、富士山も香取にとってはただの遊園地。SMAPの旗のサオを使って「キャッホー」と叫びながら、スロープを滑り降りるんだから。とにかく、遊ぶことに関しては、こいつが王様だあ!

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「チメて~!」バックパックに隠してたドンブリに山盛りの雪メシ。熱のある中居がほおばった。食い意地のはった草なぎが「ぼくにもよこせっ!」

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お昼少し前、厳寒の富士山から無事に生還したSMAP登山隊。前夜から泊まっていた旅館のおばさんが、お風呂に温泉の湯をいっぱいに張って、待っててくれた。
寒さでカチカチにしびれた手足で苦労しながら装備を解くと、「オレが先だあ!」と、浴槽に殺到。お風呂場をのぞくと、すさまじい光景が広げられている…。2人も入ればいっぱいという浴槽に、なんと6人全員が、首までつかっちゃってる。
「いてえーな!オレの○○○踏むなよ!」「誰だよ、お尻の下に手を入れてる奴!」ようやく体があったまってくると、また大さわぎ。富士山で受けた御霊験も、こいつらには無意味だった?!
ごはんを食べたら出発!今日もTV収録が待っている。バスから見える大きな富士山に、大きくバイバーイ!