「聖闘士星矢」18日間31回公演お疲れ様
1991年9月
6月末から稽古に入り、あっというまに8月15日の初日、そして9月1日・千秋楽。SMAPが初めて挑戦したミュージカル「聖闘士星矢」は、連日満員、立見席までいっぱいの大成功をおさめた。動員した観客は述べ37200人。SMAPファンはもちろん、小さい子供から大人までが楽しんだ。
千秋楽の日、1回目の公演の後に行われた記者会見の席に、6人はやや緊張気味にやってきた。すぐ後に最後の最後、あと1回の公演があるせいか複雑な表情だ。
まず、チーフプロデューサーが「SMAPのいきいきした演技がよかった。できれば北海道から九州の劇場にもこのミュージカルをもっていきたい」と挨拶。続いてメンバーから、
正広「不安や、稽古での辛い思い、苦しい思いもあったけど、千秋楽を迎えられて嬉しい。来年もこの時期に青山劇場でまたやりたい」と頼もしい期待の言葉。
拓哉「今回、6人揃ってステージに立てて…青山劇場の空間を使ってできて…まわりの人のおかげです。本当に嬉しく思ってます…」と声を詰まらせながら…。
吾郎「初めは本番迎えられないんじゃないかと思ってたけど、本番始まったらあっというま、けっこう自分でつかんできたころに終り。もう1週間あったら…」
且行「いろんな人に自分の考えを話した。こんな経験は初めてで、本当に勉強になった。」
剛「初日までは気持ちがメチャクチャだったけど、やってみて練習したかいがあった。」
慎吾「とてもやりたかったことが実現して嬉しい。終わったことを生かしてこれからもがんばる。」
今年の夏、6人はかけがえのない宝物を手に入れた。
▲GENJIもお祝いに駆けつけ、花束とメッセージ入りのケーキを手渡した
「聖闘士星矢」ステージ・ルポ
平和の女神アテナの化身・沙織(中山忍)を守るために厳しい試練の末、聖闘士となった少年たち、星矢(正広)、一輝(吾郎)、氷河(且行)、紫龍(剛)、瞬(慎吾)。彼らはその目的のために死闘を続け、傷つき、製紙の境をさまよっていた。そのころ、ギリシャの若き海王ジュリアン・ソロ(拓哉)は、海皇ポセイドンとして目醒め、汚れた世界を水没させ新天地を築こうとする。聖矢たちは神に勝てるのか?!
濃紺の宇宙空間にギリシャの神殿跡。レーザーとライトのイリュージョン、星空に浮かび上がる5つの星座。幕が開き、宙に浮かぶ5人の聖闘士!!アテナにかしずく5人の姿に見惚れてしまう。
その後ジュリアンの誕生パーティ。沙織との運命的な出会い、そして海底神殿へ導かれるシーンへと進んでいく。次に拓哉が登場するとき、海皇ポセイドンが甦る。載冠し、三つ又の矛を受け取った彼の表情はすでに威圧的だ。
以後、ポセイドンと7人の海将軍対聖矢たち聖闘士の闘いが始まる。戦闘シーンにはフライングも入り、また歌や踊りで表現するところもありファンタジック。特に第2幕、海将軍カーサと5人の闘いは見せ場だ。人の心の弱みにつけこむカーサは、氷河の恩師カミュ、聖矢の姉聖華、紫龍の恋する春麗に、そして瞬に対しては兄一輝に化け、4人を倒す。大切な人を前にした4人の演技が胸を打つ。
ここで客席から一輝が登場する。吾郎の心の底から叫ぶような歌声が響く。一輝と海将軍シードラゴンの闘いで、ポセイドン復活のすべてが明らかになるが、真の悪は意外なところにあった。そして瀕死の状態でポセイドンの前にたどりついた星矢。聖闘士たちのすべてのコスモを込めた矢はポセイドンを射抜く。
舞台は1回毎が真剣勝負。2度と同じものはない。この夏、その同じ時間、空間をSMAPと共有した人は幸せだ。
▲且行の歌声は甘く伸びて魅了される
▲必死さが痛いほど伝わってくる正広
▲第2幕、雄々しく大活躍の吾郎
▲まさにハマリ役だった慎吾の”瞬”
▲恋のシーンがとても綺麗だった剛
▲海皇が覚醒して拓哉の表情は一変する
▲死を覚悟でポセイドンに挑むセイントたち
▲フィナーレは華麗なショー。「Can’t Stop!!」で最高潮に