1991年1月

未熟だけど、心は真っ赤に燃えている。そんな6人が初コンサートで大噴火した。

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1月1日午前10時40分、東京・日本武道館の楽屋。メイクを終えたSMAPのメンバーは、あわただしく着替えを始めた。結成して3年。ついに、SMAPの初コンサート(しかも1日3回公演!)の開始時間が目の前に迫ってきた!
「とにかく、このコンサートで自信をつけたいんだ!」
去年の暮れ、91年の目標を6人が6人、そう言っていた。1か月間、メンバーはこの日のために、みっちりレッスンを積んできた。成功をおさめて、さらにビッグになりたい……それだけを考えて、この日を迎えたのだ。

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真っ先に着替えをすませたのは木村。「きのう(大晦日)合宿所で、全員一緒に寝たんだ。でも、みんな”眠れねェ、眠れねェ!”って、結局朝になっちゃったよー」とコーフンして話す。その横をすりぬけて、中居がトイレへダッシュ!「あー、ボクたちがメインのコンサートなんだねェ。今まで光GENJIのコンサートにはずっと出てたけど、全然緊張感が違うよ」と、香取は松葉杖で、ひたすらウロウロ。11時。開始予定時間だ。が、「開始は15分遅れます!」とスタッフの声。「おー、緊張が延びたァ!」と、稲垣が叫ぶ。森も、草なぎも、明るさを装っているが、顔は硬直している。11時15分。「よーし、行くぞ。行くぞぉ!!」木村のかけ声で、6人は円陣を組み、オー!!と気合一発。そしてステージへといっせいに走っていった。

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▲ひとりで何度も衣装チェンジの練習をしていた中居。「オレ、大丈夫かなあ…」

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▲本番直前、手を合わせて成功を祈る。あれー?中居クンがいないぞぉ。「またあいつ、トイレに行ってんだよ」まったくもう…。

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▲「ボクの衣装、ワンパターンしかないの」ヒマなのをいいことに、メンバーにちょっかいを出す慎吾くんだった。

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この日は、朝から小雨になってしまった。しかし、会場にはすでに約1万人のファンが詰めかけて、今か今かと待ち構えている。突然、ステージ中央に、メンバーのシルエットが浮かんだ。ひときわ高くなる歓声!パッと照明が明るくなり、香取をのぞく5人が、フルボリュームの音楽に合わせて踊り出した。いきなり、草なぎと木村がバック転をキメた!立て続けに4曲。1曲ごとにメンバーは次々と衣装を脱ぎ捨てていく。脱ぐごとに衣装が変わるというしかけだ。赤→白→紫とバシバシ変わっていくのが目に鮮やかだ。「SMAP」の曲になると、もう場内は大合唱!早くもステージは最高潮になった。

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と、今度はハッピに着替えて、5人は和太鼓の見事なバチさばきを見せてくれた。そこに、応援に駆けつけた忍者、そしてGENJI、さらには少年隊の東山が登場。全員で「コーラスライン」を踊った。これはなかなか豪華!見どころはそれだけではない。木村と中居が袋づめにされ絞首台にかけられるが、それを抜け出すマジックがあったり、木村の弾き語り(男闘呼組の「不良」)があったり…。ビートルズ・メドレーで、やっと香取が登場。「心配かけたけど、ボクはもう、元気です!」一生懸命に歌う姿に大声援がおこり、香取は思わず涙ぐんで…という感動のシーンもあった。

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「ボクたち、4月に横浜アリーナと名古屋、大阪で追加コンサートをします。で、8月にはミュージカルもやるので、応援してね!」と、MCで発表があって、いよいよフィナーレだ!アンコールではなんと4曲も歌い、最後は再び「SMAP」の大合唱。衣装14点以上、全30曲…。2時間にわたる大コンサートが、こうして無事終了した。しかし、気をぬくヒマもなく、さらに続けて、2回目、3回目の公演。ホントに体力の限界に挑むような1日だったが、帰りぎわの楽屋で、6人は「足はもうツリまくりだけど、ステージに出ると、忘れちゃうんだ!」と元気、元気。もう1回でもやれそうだ。そして、どの瞳も”自信”で輝いていた。

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▲終了直後、舞台から下りてきたメンバー。顔には”青春の汗”が光る。おつかれさまでしたっ!